【石川】能登の風力発電 全73基停止 地震被災 2基ブレード被害

日本の話題

2024年3月10日付け『中日新聞』より転載)

9基は再開

 能登半島地震で、石川県能登地方で稼働している73基の風力発電施設が全て運転を停止したことが、本紙の調べで分かった。

風車のブレード(羽根)が折れて落下したほか、施設を動かすための電源が使えなくなるなどした。

全体の半数超で運転再開の見通しが立っておらず、能登で進む風力発電の大規模な新設計画に影響を与えそうだ。(大野沙羅、写真も)

 県内の風力発電は74基で、このうち73基が能登地方にある。

地震前に稼働していたのは珠洲市30基、輪島市11基、志賀町22基、七尾市10基の計73基で、最大出力は合計で約13万キロワット。

県中央部の内灘町にある1基は2017年から運転を停止していた。

 本紙は能登地方で稼働する全ての事業者に取材。

少なくとも2基で、ブレードに被害があった。

HSE(茨城県日立市)の連結子会社「能登の風」が運営する志賀町富来地域の風車は、長さ41メートル、重さ約8トンのブレード1枚が折れて一部が地上に落下した。

珠洲市では日本風力開発(東京都)の珠洲第2風力発電所で長さ34メートル、重さ約6トンのブレード1枚が破損した。

いずれも原因は分かっていない。

 このほか強い揺れで安全装置が自動停止したり、施設を動かすための電源が使えなくなったりして、運転を停止した施設もあった。

 風力発電に関わる有識者らでつくる日本風力エネルギー学会(東京都)の上田悦紀理事によると、大型風力発電施設が地震で大きな被害を受けた事例は少ない。

過去の事例は鉄塔や基礎の損傷で、ブレードが損傷した例はないという。

 珠洲市や輪島市では道路の寸断などで近寄れず、ドローンや望遠カメラでしか被害状況を確認できていない施設もある。

輪島市にある「輪島もんぜん市民風車」の担当者は「被害の全容がつかめず、運転再開の見通しが立たない」と明かす。

2月中に稼働を再開できたのは、日本海発電(富山市)が運転する志賀町福浦港の9基にとどまっている。

 地元住民団体「能登の風力発電を考える会釶打(なたうち)」は2月中旬、七尾市中島町の虫ケ峰風力発電所にある10基を視察。

変電設備が傾いたり、発電施設の基礎と地面の間にすき間ができたりしていたほか、施設に向かう道に亀裂が入っていた。

代表の唐川明史さん(77)は「被害は深刻。風車を建てたことで地中や水脈に与えた変化が今後表れるのでは」と話した。

 NPO法人「防災推進機構」理事長の鈴木猛康・山梨大名誉教授は「(施設やその周辺の)安全性が確認できないままでは、土砂崩れのリスクもある」と指摘。

「能登半島地震を機に全国の再生可能エネルギーの計画も調査が見直されるべきだ」と訴えている。

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仁木町の風力発電を考える会です。 一見エコと思われる風力発電ですが、住民の健康被害にもかかわる、とても多くの問題を抱えています。 いっしょに学んでいきましょう。

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