【風発の草刈り場】
環境省北海道地方環境事務所の「風力発電一覧」などによると、道内では9月時点で陸上風力発電357基が稼働しており、さらに1753基が計画され、総数は2100基を超える。
住民団体「北海道風力発電問題ネットワーク」(石狩市)の佐々木邦夫代表(55)は「風力発電を否定するものではない」とした上で、「再エネ開発を進めるのなら、国が主導して各地の環境モニタリングをしながらデータの集積と解析を進め、その影響を把握した上で現場に反映する仕組みが必要だ」と指摘する。
佐々木さんは、国内で進む風力発電の開発現場を数年かけて出向き、土砂災害発生の懸念や、希少な野生動植物や自然景観への影響などを調べた。その結果、十分な確認がなされないまま整備が進んでいく状況を目の当たりにしたという。
風力発電の事業者が開いた風車の建て替え工事に関する説明会では、「風車の軸やブレードなどは産業廃棄物として撤去するが、地中深くに埋まった鉄筋コンクリートの基礎部分はそのまま残す」と説明され、驚いたこともあった。
「別の事業者からは『基礎を撤去すると、土砂崩れを誘発する懸念がある』とも聞いた」。ほとんど知られていない問題だという。
【洋上風力も促進】
「北海道の風力発電事業は、まだまだ伸びる」
7月に札幌市で開かれたイベント「北海道洋上風力フォーラム」に出展した事業者はこう語った。
「陸上風力は多くの事業が始まっているが、洋上はこれから。企業としてうまみがあり、期待している」
室蘭市で洋上風力を進める協議会が主催したこのイベントには、10社を超える大手企業が出展。自社の取り扱い製品や工事技術などをアピールした。
国は再エネ普及の「切り札」として、陸上より風が安定して吹き、住民との軋轢が生じにくい洋上風力を促進。ここでも北海道は計画がめじろ押しで、道内の風車基数は洋上風力の計画分も加えると、3千基を超えるとの見方もある。
佐々木さんは「さまざまな問題点をゼロにするのは難しいが、可能なかぎり排除して『よい再エネ』を作っていかないかぎり、持続可能にはならないのではないか」と話す。
(産経新聞)
(写真は読売新聞7・9)


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