「洋上風力発電事業化へ 法定協、松前で道内初開催 漁業との調整焦点に」
北海道新聞より 2023年11月13日付け
【松前】渡島管内松前町沖で受け入れ計画が進む洋上風力発電事業について、国、道、漁業関係者らが意見を調整する法定協議会の初会合が13日、松前町内で開かれた。
再エネ海域利用法に基づく法定協の開催は道内で初めてで、一般海域での事業化に向けた第一歩となる。
出席者からは、地域経済活性化策の充実や漁業との共存共栄を求める声が上がった。
懸念を示す漁業者との調整が今後の焦点になりそうだ。
松前沖の法定協は経済産業省、国土交通省、道、町、松前さくら漁協などで構成。
座長には足利大の牛山泉名誉教授が就いた。
初会合で、道の土屋俊亮副知事は洋上風力について「ゼロカーボンの実現に寄与する再生可能エネルギーの切り札」と述べ、風況に恵まれた北海道沖での導入拡大に期待感を示した。
松前町の若佐智弘副町長は「町にとって有意義なものと確信している」と強調しつつ、大型風車建設による景観悪化への配慮や、地元の雇用増加につながる事業の実施などを求めた。
一方、松前さくら漁協の吉田直樹組合長と竹幸一副組合長は、反対ではないものの「リスクを抱えるのは漁業者」と指摘。
風車の風切り音や振動による漁への影響に懸念を示し、主力のヤリイカ漁が行われる3~5月は建設工事を避けることなどを求めた。
法定協は今後、要望をとりまとめ、その内容は、国が事業者を公募する際の指針に盛り込まれる。
松前沖は5月に国の「有望区域」に選ばれた北海道沖5区域の一つ。
事業化が可能な最終段階の「促進区域」に選定されるためには、再エネ海域利用法に基づき、法定協で合意意見をとりまとめる必要がある。
松前沖は地元関係機関が比較的少なく、協議の準備が整うのが早かったため、道内で最も早く法定協が開催された。
促進区域に指定されれば、公募で選ばれた事業者が一般海域を最大30年占有して発電できる。
松前沖の洋上風力では、最大25基、合計出力25万~32万キロワットの事業規模が想定されており、東急不動産(東京)などが参入を検討している。(足立結、工藤雄高)

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