札幌のまほろば自然農園での研修生だった大林さんから突然のお報せ。
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何と、今金、八雲、黒松内に、列挙しての巨大風車計画が発表された、との事。
彼らも、同じ悩み、同じ問題を抱えることになりました。
以下、彼の報告を、お聴きください。
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大林です。
風車問題をシェア致します。
今年の夏から矢継ぎ早に、ある計画が発表されています。
その計画は小出しにされていて実態は見えにくいのですが、実はこう。
“JREが手がける高さ183mの巨大風車の計画で、今金町(せたな町、八雲町含む)で30機、八雲町黒岩で15機、黒松内町で18機、合計すれば63機と膨大な数になり、渡島半島を縦断するように巨大風車の列ができることになります。”
180m級風車は日本最大級で今まで道南で見てきた風車とは一線を画します。
その高さ183mというイメージは付き辛いかも知れませんが、北海道で一番高いビルJRタワーで173m。
札幌テレビ塔で147m。とてつもない巨大建造物が渡島半島に連立する計画です。
電力は安定供給がキモのはずなのですが、風が吹く吹かないということに左右される不安定な発電機は稼働率がわずか25〜30%。
不安定な発電施設の為に犠牲となるものは余りにも大きく、大規模建設の為には、自然環境の破壊、改変、生態系への影響は決して避けられません。
建設予定地は天然記念物のオオワシ、オジロワシの渡りのルート上です。
環境省の手引き書では、オオワシ・オジロワシなどの天然記念物へのリスクがある場所は建設を止めなさいとあるのに推し進めようとしています。
搬入路の確保の為に林道幅を広げ、山を削り、地下を掘りコンクリートで埋立てて、巨大な風車を支える土台を確保しなければなりません。
それは木を切り、集水域の水脈を遮断し、土砂流出、水質汚染、たくさんの動植物の場を奪うことになります。
私たちは実際に計画現場に行き、搬入路を確認致しましたが、単に平坦な林道を少し広げるだけという甘い認識では成り立たない、急斜面での大規模な造成が必要な場所が多数ある状況を確認しております。
八雲町建設予定地には、数多くの希少猛禽類が生息しております。
JREが今年2月〜8月の間に行った調査でも希少猛禽類は12種。
うち天然記念物は3種、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの”絶滅危惧種IB”は3種も確認されています。
建設予定地内という小さな面積において、これ程までに多くの希少猛禽類が密に生息していること、そして、それがわずか半年の間に12種確認出来るということは、全国は元より全道に置いても稀な、素晴らしい環境にあることを示しております。
猛禽類はエサの下支えとなる豊かな自然環境が揃わなければ生息出来ない生態系の長であり、キーストーン種ですから。
渡島半島は東西を海、南北に連なる比較的急峻な渡島山脈、それをつなぐ川によって自然が密で、北海道においてここにしか生息しない動植物が多数存在しています。
その南北に連なる峰に風車を連立することへの環境インパクトは計り知れません。
今現在この計画は、環境影響評価における方法書を決める段階にあります。
私たちは今現在穴だらけの調査方法の不備を強く訴えております。
この地には人生をかけて自然保護に取り組み、現場を歩き、調査を続けてきた方々がおります。
年数を重ねてきたデータの蓄積があります。
北海道では渡島半島でしか見ることが出来ない貴重な植物があり、希少猛禽類の渡りルートのGPSデータ、営巣場所のGPSデータ等の具体的なデータがあり、水生生物も貴重なエゾホトケや産卵の為に遡上する数多くの魚種がいます。
一年や数ヶ月という簡単な調査では見つけることが出来ず、見ることの出来ない海山川の生態系の深い繋がりがあります。
守るべき価値あるものが渡島半島にはまだあります。
このまま無視して推し進めることは決してあってはならないと思っております。
今回のJREの具体的調査方法の内容については、JREホームページのニュースから縦覧出来るのでご参照下さい。
https://www.jre.co.jp/news/2023yakumo_houhousho.php
リンクは八雲町の計画ですが、他の計画も他のページから縦覧出来ます。
巨大な企業が、この地に再エネという旗を振ってやってきています。
ここには目があり、耳があり、声を出すことが出来ることを示していきたいと思っていますが、同時にこのまま住民が無関心のまま、事が進んでいくのではないかと強い危惧をしています。
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