【関電、後志の風力計画縮小へ】
ー 最大出力3分の1以下に 貴重な植生確認 ー
北海道新聞より 2023年11月14日
【古平、仁木、余市、共和】
関西電力が後志管内の陸上で進める風力発電所の建設計画を、大幅に縮小する見通しであることが14日、分かった。
同管内古平、仁木、余市、共和の4町にまたがる計画の最大出力を当初の26万8800キロワットから、7万~8万キロワットと3分の1以下に見直す。
計画を巡っては、自然環境や生活環境の悪化を懸念する声が上がっていた。
政府が主力電源化を進める再生可能エネルギー開発の難しさが浮き彫りになった格好だ。
関電が計画の大幅縮小を検討しているのは「(仮称)古平・仁木・余市ウインドファーム」。
すでに予定地のある自治体に対し、計画変更の説明を始めている。
関電が自治体などに説明した内容によると、昨年5月の計画公表後、事業を予定するエリア内の調査で、自然度の高い高山植生を多く確認したという。
このため、事業エリア南側の仁木、共和町内での開発を取りやめ、事業エリアを古平、余市町内に絞り込む。
開発面積は従来の約8500ヘクタールから千数百ヘクタールに縮小する見通し。
最大64基としていた風車の数は20基弱に減る。
ただ、仁木町南部の共和町との町境に広がる一部エリアについては、現在進める事業とは切り離し、別の風力発電事業として計画を再提出する見通しだ。
関電は昨年5月、今回の4町にまたがるエリアでの風力発電所建設に必要な環境影響評価(環境アセスメント)の手続きを道内の別の3か所と合わせ、国や道に申請していた。
このうち、伊達市や千歳市などにまたがる計画(総出力7万9800キロワット、最大19基)は、同7月に建設中止を発表している。
残る計画も現在、環境への影響を調査中だ。
縮小を見込む今回の計画に対しては、日本自然保護協会(東京)が昨年6月に中止もしくは抜本的見直しを求める意見書を公開。
仁木町内では、住民有志でつくる「仁木町の風力発電を考える会」が町議会に建設反対の陳情を提出するなど、一部で反対運動が続いていた。
後志管内では、大手総合商社の双日が6月、小樽市などで計画していた風力発電事業(総出力10万9千キロワット、最大26基)の中止を発表している。
この計画にも地元で反対論があった。
(伊藤圭三、宇野沢晋一郎)

コメント