風車の騒音データ提示を 厚沢部の団体、東京・風力開発に意見書

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北海道新聞(米林千晴) 24年4月25日

厚沢部町

 【厚沢部】町民有志でつくる「素敵(すてき)なあっさぶの自然を観る会」は、町内の鶉地区で陸上風力発電事業を計画する厚沢部風力開発(東京)に対し、町民が受ける影響の詳細なデータなどの提示を求める意見書を提出した。

計画で示された風車は町内中心部に近く、町民の半数が影響を受ける可能性を指摘。

すべての町民に騒音予測などのデータを明確に提示するべきだと訴えている。

 提出は15日付。同社は鶉地区の山中に町内の太鼓山(171メートル)を上回る高さ172メートルの風車(出力4千キロワット程度)を12基建設し=地図=、総最大出力4万8千キロワットの風力発電を計画。プロペラ(ローター)の直径は117メートルの大型風車で、町内では初めての規模となる。

 意見書は風車から市街地まで800メートルしか離れておらず、騒音が及ぶ範囲は中心市街の大部分を含むため、「全人口(3355人、3月末現在)の半数以上が影響を受けると予想される」と言及。

風車に最も近い住宅の騒音予想値や、低周波音による圧迫感、振動感、不眠といった苦情への対応方針など5項目について全町民に明示することなどを求めている。

 また、計画地は尾根の形状が複雑なことから、風況予測の3次元的な検討の進め方や、工事用作業道の造成に伴う樹木伐採面積などを具体的に示すことも求めた。

 同会の鈴木晃子代表は「大型風車なのに市街地に近すぎる。説明会では建設工事中の地元業者へのメリットを示したが、工事に関係ない住民はどうなるのか。

事業のメリット、デメリットを明確に示してもらい、町民がみんなで風力発電について考えるきっかけにしたい」と強調する。

 日本風力開発は「いただいた意見については内容を検討し、環境アセスメントの手続きの中で正式に回答する。

住民の皆さんの理解を得られるまでしっかり対応したい」と話している。

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仁木町の風力発電を考える会です。 一見エコと思われる風力発電ですが、住民の健康被害にもかかわる、とても多くの問題を抱えています。 いっしょに学んでいきましょう。

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