佐藤諒一 2024年4月9日 『北海道新聞』より
後志管内古平、余市の両町で計画が進む風力発電事業に関し、事業に反対する地元の住民団体など3者が9日、鈴木直道知事に事業計画の撤回と廃止を求める要望書を提出した。
3者は「事業者の説明が十分納得いくものではない」と強調し、開発による農業への悪影響や生態系、土砂崩れなどに懸念を示した。
要望書は、巨大な発電所建設がミツバチなどの昆虫を減少させ、主力地場農産物の果樹の生産力を低下させる恐れがあることなどを指摘。
昨年12月に事業者が両町で開いた説明会は一方的な説明が目立ち、住民の理解に努めていないと主張した。
両町とも、環境影響評価法に基づき、3月に知事に提出した意見書で計画の賛否に触れなかった。
3者は農業に及ぼす影響の大きさから、知事の意見も重要と判断して要望し、今月23日までの回答を求めた。
道ゼロカーボン産業課は「知事や関係部局と内容を共有して対応を判断したい」としている。
事業は関西電力が両町にまたがる山林区域で計画。最大出力7万5600キロワットの発電所を整備する。
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